煙草をやめた話

一日おきに、ブログを更新していこう、と思っていた矢先、ひどい風邪にかかってしまい、五日くらい更新できませんでした。

最近では、珍しいです。少し前まで、私はしょっちゅう風邪を引いていましたが、キックボクシングと、あと、時折、鍼灸・整体を受けるようになってから、免疫がとても強くなったようで、風邪っぽくなっても、すぐに治っていたのですが…ちょっと図に乗ったのでしょう、体調管理が甘かった。

さて、永年の悪い習慣だった煙草をやめた、という話です。…喫煙は、「習慣というより(ニコチン)中毒だ」と言われますが、もっと複合的な性格のものでしょうね。

ニコチン中毒だけなら、たしか数日我慢すれば、すっかり「抜けて」しまうので、そこで禁煙完成となるはずですが、なかなか、そうは行きませんから…

私も過去、何度か「禁煙」を試み、挫折を繰り返したクチです。

…で、今回を書くにあたり、「いったい、どうしてスパッと禁煙できたのか」をいろいろと分析してみたのですが、どうにも、よくわからないのですね。

気色わるいスピった話はしたくないので、自分が辿った禁煙の過程を、書いてみます。私と体質とか気質とか、似たような方には、ひょっとしたら、ヒントくらいになるかもしれません。

キックボクシングのエクササイズ(だけでなく、まず、パンチ、キック、ディフェンスなどを正確にこなせる体づくり)に、様々な間拍子で、はまってしまったので、「体の動くうちに、できるだけ、これをマスターしていきたい」という思いが、心の底から湧いてきたのが、ひとつ。

それと別に、メタボ化して、メンタル面も荒廃していましたから、当時は「もういつ〇(タヒ)んでもいいや」などと常日頃から思っていたところが、「これ、面白いから、ラスト一回くらい、全力出そうか」という気持ちになり、「それじゃまず、この体をなんとかしなくちゃ」という。ラスト一回、というのは、年齢的なリミットですね。

…で、最初のレッスンで、もう、息が上がって、脚も高く上がらない、という現実がありました。今になってみると、通常のレッスンの、1/10くらいの強度・難度のレッスンでしたし、あまりにこちらの状態(?何もかも)が酷いので、ごくごく基本的な動きのみ、インストラクターは一切の攻撃をしない、という、超・初心者モードだったのですが。

その後、他の敏腕インストラクターから(というか、インストラクター、全員が敏腕なんですけど)、姿勢の矯正、体幹の強化、という、避けては通れないけれども、厳しいから避けたい難題を突き付けられることになるのですが、この話は、今回はパスします<m(__)m>

別に、喫煙についてインストラクターに指摘されたわけでもなく、「ヤニくさい」などと言われたわけでもありませんが、自分の当時の運動不足を棚に上げても、この息の上がり方の悪因として、ヘビーな喫煙を想像できなかったら、かなりヤバかったと思われます。

俗に「息が上がる」と言いますが、何がキツイかというと、肺が爆発しそうになることで、そこにスルドイ痛みが伴うから、喀血するんじゃねえか、デブのくせに、などと怯んだものでした(バカか。)。

肺がこの調子なら、痛みはないものの、バクバク言ってる心臓はどうなんだよ、おい、という話です。じっさい、心臓が鋭く痛んでいたら、タバコよりもっと深刻な問題だったのですが、なぜか、そこには気づかなかった。

…じゃあ、タバコやめよう。

決断は、早かったです。ただまあ、どこまで続くのか…という話ですね。

思い返してみると、ここで、いまだに印象に残っている思いがあって、

「今度また、禁煙挫折したら、もう二度と、禁煙しよう、とも思わなくなるだろうな(そういう年齢だ)」とか。

それまで、「まあ、なんとかなる」とか、「後がある」的な考え方が何事にもあったのが私で、それで万事、「詰めが甘い」ことで、しくじってきたように思えたのは、確かです。

なんでそんな、「覚悟を決める」みたいな考えに、すっと入って、定着できたのか、ちょっとわかりにくいのですが、ひょっとしたら、入会したジムの指導者たちが、そういう心構えが

できている人が多いんじゃないかな、とか思えます。

つまり、心構え的なものは、「上から下」に伝染しますから…

で、禁煙に関する記事をネットで…漁りませんでした。それ関連の本を買うこともなく、グッズや食品も買いませんでした。

ひとつ、思い起こされたのは、昔、知人の女性に聞いた話でした。

その方は、とある劇団に所属していたのですが、舞台のときに、季節や照明の関係で、そこが酷く暑いときがある。

で、暑さのあまり汗をかきすぎてしまうと、化粧が落ちてしまうし、だいいち、見苦しいから、汗はかきたくない、というのです。

いやでも、生理現象だから、それは無理筋でしょう、ときくと、その方は平然と、

「だから、頭や顔から汗をかかなければいいんです。たとえかいても、ごく少量にする。その代わり、背中でたくさん、汗をかくんです。そこだったら、目立たないから」。

彼女だけでなく、この技(?)を使う人は、同じ劇団に多いというのですね。

「そんなふうになれるのですか? なれたとしても、時間かかりますよね?」

「かかりませんよ。もう、頭や顔から汗かかない、背中で汗かく、って決めたら、不思議だけど、そのときから、背中だけで汗かけるようになりました」。

あらかじめ申し上げますが、私は訳の分からないような、アナクロな精神主義や、根性論みたいなものは、かなり嫌いなほうです。あと、しつこいようですが、最近はもう、お手軽だったりフワフワだったりするスピは、大嫌いです。

ですが、今になっても、この女性の話は、時折、思い出されます。そんな馬鹿な、みたいな話ですが、その方はじっさい、本当にそうしていたし、またそういうことを抜きにしても、どういうジャンルなのか、ちょっと掴みづらいけれど、なんとも、深い話と思えます。

…で、まあ、自分もそんな気持ちで、禁煙して、そのまま、数年(三年以上になります)経過している、という。