おはようございます。
なんの因果か、このブログを読んでくださる皆様、ありがとうございます。そのうちに、画像やらメールやら、できるようにいたします。といって、メールを送付されても、たいてい、スルーで終わりますので、そのあたり、よろしくお願いします<m(__)m>
さて。タイトルです。
バブル期のスーパーファミコンのソフトの話になります。
当時、若かった私は、本を読むのに忙しく、スーファミとかはさほど、やっていないので、「ゼルダの伝説」とかの、レジェンドになっているようなソフトの、ほぼ全てを体験したこともありません(かろうじて「スーパーマリオ」くらいは、最初のあたりだけやったかな…)。
そんな私が、ラストまでやり抜いてしまったソフトがこの「熱血硬派!くにおくん」なる、バイオレンスに満ちた、破壊的でカオティックな、ひたすら常軌を逸した作品です。
全体を通して、現在では間違いなく「R指定」にしかならないような、理不尽なまでに過激なストリートファイトの当事者にならなくてはならず、そうすることで、たしか、誘拐・拉致・監禁されているガールフレンドを救出しなくてはならない、という、犯罪そのものを描いたソフトでした。
プレイヤーは「熱血硬派」である「くにお」というヤンキーにならなくてはいけません。
また、ゲーム展開はいわゆる「横スクロール」で、登場人物は「三頭身、ちょいかわ」、そしてチープなBGMが絶えず流れるという、遣る瀬無いファミコン仕様なので、これがために、繰り広げられる暴力と惨劇が、コミカルなギャグに見えてしまう、という、絶妙のタッチが生まれているのですねえ…
「くにお」はたしか、丈の長い「白ラン」にリーゼントだったか…敵対する人間の襟をつかんで、パンチを顔面に連打する「技」とか、「巴投げ」などが使えたような…
そんなヤンキーを操りつつ、舞台となる大阪の街を徘徊するところから開始するのですが、この大阪の街というのが、阪神電鉄沿線界隈なんです。なかなか、「いちげん」が足を踏み入れがたい区域でして、くにおはそこで、情報を得るために、地元民を片っ端から、どつき倒します。
…このゲーム、人と遭遇すると、ボタンによる選択肢が「つかむ」、「なぐる」、「ける」くらいしかなく、「話す」とか、「しらべる」とかが選べないから、仕方なく、通りがかりの禿頭のおっさんなどの襟首をつかみ、殴り倒し、馬乗りになってパウンドでとどめを刺し、おっさんの腹巻から飛び出した千円札をゲットしたりします(警察は、来ません)。
このステージで注意すべきは、パーマをかけた太ったおばさんです。
このおばさんは、体力、攻撃力ともに、おっさんをはるかにしのぐうえ、襟をつかんで動きを封じての連続ビンタ、という必殺技があり、序盤のくにおは、しばしば、この絶技によって絶息に至ります。
また、このおばさん、KOすると、「ひどいひとやわ」などと、世迷言を遺すため、心理的にも後味が悪いので、要注意といえました。
次のステージになると、甲子園球場周辺を徘徊することになります。
ここでは必然的に、「泥酔した阪神ファン」との対決が避けられなくなります。
この阪神ファンには、雑魚キャラながら、それぞれ名前が付されており、それが「かけふ」、「おかだ」、「まゆみ」、「ばあす」など、往時のファンならば狂喜するか激怒するはからいが、なされていました…
「泥酔した阪神ファン」は、キチ、がキチを作る水でキチになっているうえ、徒党を組んでいるため、きわめて厄介な相手となるため、死闘を余儀なくされます。
なにしろ、くにおは熱血硬派ゆえ、単騎ですが、向こうは大勢で、おまけに酔っています。
一発、良いパンチをもらって転倒すると、集団によるストンピング攻撃で、一気に落命する羽目になります。
また、「ヘッドロックから頭部へのメガホン連打」や、一人に背後から羽交い絞めされたところに、「駆け込んでのメガホン強打」などの、破壊力満点の技があるため、少なくともくにおとしては、背後の相手を肘打ちで倒す、あるいは、髪をつかんで投げ飛ばす、などの技法をマスターしておかなくてはなりません。
ただ、阪神ファンの場合、もっとも警戒しなくてはならないのが、背後に回ってから繰り出されるジャーマンスープレックスです。
路上でのこの技は、ドニー・イエンの映画を見るまでもなく、殺傷力甚大で、体力が満タンのくにおが、一発で絶命するほどでした。
…このように記していくと、キリがないので、その他の、感慨深いシーンを抜粋します。
後半では、くにおにも、一人、仲間ができます。類は友を呼び、同じく中二病の人です。
で、暴走族ともバトルしなくてはならず、これは、バイクを駆って、暴走族の群れに突っ込んで並走しつつ、隣のバイクを蹴って、転倒させていく、という、これだけで大事件になってしまう内容です。
また、ラスト、ガールフレンドが拉致・監禁されているのは、高級住宅地のマンションの一室に設けられた鉄格子の牢屋で、その牢屋が隠されている、無駄なまでにゴージャスな調度に満ちた部屋で、くにおたちを待ち受けているのは、ヤ〇ザです。
どういう理由で、そんなことをしているのか、よく覚えていないのですが、トラだかヒョウだかの毛皮みたいな上着を着たこの極道は、ここまで殺人を繰り返しつつたどり着いた学生二人に対し、次々とチャカをぶっ放します。
さすがに銃弾となると、一発食らうとスピードが半減し、二発もらえば絶命してしまいますが、救いは、これがリボルバーだった点でした。
つまり、六発かわせば、手元に入って叩き落せば、チャカ攻撃はなくなります。
とはいえ、相手は「本職」なので、その場合、素早く飛び出してくるドス攻撃。
これも刃物ですから、三回も刺されると、もういけません。
……まあ、このような内容のゲームが堂々と発売されていたのだから、昭和って凄いな、としかいえませんが(ひょっとしたら平成初期かも)、繰り返しになるけれども、「横スクロール」、チープなBGM、あと、「三頭身のキャラたち」という配合がはまって、コミカルでしかないゲームでした。
これだけは、もう一回、やってみたいな、と時々思います。